三大栄養素の一つ「タンパク質」は、筋肉や内臓、髪、皮膚などを作るのに欠かせない栄養素です。
タンパク質が不足すると「身体のだるさ」「体力の低下」「顔色が悪くなる」「肌荒れが起きる」「貧血になる」などの症状が出ます。
マクロビオティックを続けていて「体調が良くない。肌の具合が悪い」という場合、まずタンパク質不足を疑ってみる必要があります。
玄米食、野菜中心のマクロビオティックでは、充分なタンパク質を摂取できていないことが多々あります。
1日に必要なタンパク質の量
▲厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」(PDFファイル)
1日に必要なタンパク質の量は年齡や性別、体重によって異なります。
大体50g前後だと考えておいて下さい。
男性……50~60g
女性……40~50g
成人の推奨量(g/日) = 0.72 × 体重(kg) × 1.25
高齢者の推奨量(g/日) = 0.85 × 体重(kg) × 1.25
穀物中心だとタンパク質不足になりやすい
玄米など穀物中心のマクロビオティックでは、玄米や穀物だけを食べていても充分なタンパク質が補えません。
茶碗1杯(150g)の玄米ご飯を毎食食べても、摂取できるタンパク質は8.4gと少ないです。
1日で必要なタンパク質の量は「男性50~60g、女性40~50g」。
例えば「玄米ご飯とみそ汁(または野菜スープ)、たっぷりの野菜のおかず、豆と海藻を少々。肉や魚、卵は食べない」という食生活では、圧倒的にタンパク質が不足してしまいます。
タンパク質不足を改善する方法
「マクロビオティックは豆や豆製品の植物性タンパク質を摂取するから、タンパク質不足にならない」と言われることもありますが、食品によってタンパク質の量は大幅に異なります。
例えば高野豆腐は100gで49.4gのタンパク質が摂取できるのに対して、絹ごし豆腐は1/10の4.9gしかありません。
絹ごし豆腐だけで1日に必要なタンパク質を取ろうとすると、5丁(1丁200g)も食べる必要があります。
高野豆腐や油揚げ、納豆など、タンパク質の多い豆製品を1度の食事に1品は必ずつけたり、ピーナツやゴマ、アーモンドなどを積極的に取り入れたりすることで、タンパク質不足を防止します。
【種子類に含まれるタンパク質の量(100gあたり)】
- らっかせい……26.5g
- バターピーナッツ……25.5g
- ごま……20.3g
- カシューナッツ……19.8g
- アーモンド……19.2g
- ピスタチオ…… 17.4g
- くるみ……14.6g
- 松の実……14.6g
- マカダミアナッツ……8.3g
- ぎんなん……4.1g
肉、魚、卵、乳製品も適度に食べる
タンパク質は肉、魚、卵、乳製品に多く含まれています。
マクロビオティックでは動物性タンパク質を取るのは避ける傾向にありますが、正直、豆製品や種子類だけで充分なタンパク質を補うのは非常に難しいです。
特に成長過程にある子どもにタンパク質が少ないマクロビオティック料理を食べさせることは、身体の成長を阻害、体力不足、貧血などの影響を与えかねません。
マクロビオティックを実践していても、身体に必要なタンパク質を補う為には、やはり適度に肉、魚、卵、乳製品を取ることが大切ではないでしょうか。
【肉、魚、卵、乳製品に含まれるタンパク質の量(100gあたり)】
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